父ザップ開始の修羅場

駄散文
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父ザップ開始の修羅場

今日は兼ねてからの懸案事項だった、父が運動しないで身体機能が衰え続けている問題に風穴を開け、はじめの1歩として手のグーパー5回を一緒にやることができました。

まず事の経緯として、2017年に父が肺炎で生死を彷徨い(ECMO使用)、3ヶ月入院して寝たきりが1ヶ月ほど続いたのがきっかけで、体力がめっきり落ちました。

当初は体力を回復しようと頑張っていたようですが、翌年の2018年4月に花見で調子に乗って酒を飲んで、知らないうちに腰椎を骨折していました。そこからコルセットをせずに放置していたため、変な状態で固まったようで腰痛が発生しました。

さらに悪いことに骨折が治らないまま腰椎を固定する手術を勝手に決めてしまい、2018年7月に手術をしてここから腰が痛いことを言い訳にまったく運動しなくなり、最初の入院から5年が経とうとしていますが、日中リビングの椅子に座ったままテレビを見る日々でまったく運動しないことから、回復するどころか冒頭に書いたとおり衰えて今に至ります。

私もなだめしすかしたり、キレたりとできる限りの手段で散々アプローチしてきましたが、父が一向に運動する気配がなく、有耶無耶になってここまで来てしまいました。

毎週金曜日に父の運転(貴重な運動機会なので仕方なく)で母も一緒にスーパーに食材の買い出しに行きますが、回を重ねるごとに足取りが覚束なくなり、洗車もしないので苔むした古の車みたいになっており、いい加減ウンザリしています。

また食事中は箸を常に持ち続けていますが、一度置くともう一度箸を取るのがしんどいため、このようなスタイルに落ち着いたようで、プルプルしながら口にものを運ぶのがやるせなくて見ていられません。

最近は認知機能の低下も見られるため、この辺でなんとかしないと取り返しがつかない状況になるのが目に見えているので、今日は心を修羅にして挑みました。

前日譚として昨日には、少しづつ筋トレすれば必ず体力が回復することを説明して、私自身が懸垂5回から始めて今は13回できていることを話したら、「昭浩に言われるとそうだと思う」と言って納得はしていました。じゃあやれよという話ですが全然やらないので本日決戦となりました。

夕食を1階に行って両親と一緒に取りますが、私が食べ終わってから両手を前に出して、一緒に手のグーパーから始めようと父に話しました。思ったとおり全然やる気配がないので、最終決戦兵器使用を自分自身に承認してリミッターを解除してキレまくりました。

父もキレて、立ち上がって殴るような仕草を見せたので、殴ってみろ!とさらに煽りました。「息子として情けない」「こんな姿見たくなかった」「尊敬してたけど今はゼロ」など、ありとあらゆる言葉で心を揺さぶった結果、父が両手を出して3回までやったところで思わぬ伏兵が現れました。母です。

「大きな声を出してみっともない」「近所に聞こえる(団地だけど全戸2重ガラスかつ冬なのでほぼ聞こえない)」「食事中にやらないで」など、緊急事態であることを無視して父を止めようとしてきます。そういえば父の運動を阻害している大きな要因のひとつは母が父を世話することで、父は入院前から家事は一切せず、食事は座っていれば出てくるような至れり尽くせり状態なので、父から運動機会を奪いまくっていて、私から見ると「優しい虐待」そのものになっています。

「近所に聞かれてもいい」「悪者になっても構わない」「やっているのは優しい虐待」などと母に反論しつつ、「戦争より今の状況のほうが重要」「この状況が続くなら死にたい」「こっちも本気だから命くらい掛ける」「やるなら今!」などと畳み掛けて、「あと2回でいいから!」と言ったところで再開し、何とか5回やることができました。

毎日続けて1週間に1回づつ回数を増やして、字を書けるようにするのが当面の目標です。また成功体験を積み重ねればやる気が出てくると思うので、少しづつ種目を増やす予定です。

母が父に無理をさせないようにする善意がかなり厄介なので、対処法を考えておかないとダメですね。大丈夫だとは思いますが、明日また止めようとしたら「父が元気になると何か問題があるの?」といった問いを投げてみます。これは相手に有無を言わせないための悪い質問(クローズドクエスチョン)ですが、母の邪魔を排除するためにあえて強いアプローチが必要だと考えています。

一応目的は達成しましたが、キレ散らかしてクールダウンに時間が掛かり、MPを消耗して疲れました…。今日はコーチングの基本を破りまくりましたが、時にはキレてでも相手に本気の態度を示すことも重要で、今まで全然ダメだったのでかなりの効果があったと思います。

それでもキレるのはリーサルウェポンで、今回は父の寿命が掛かっていたためなので、基本的に命の危険が伴わないクライアントの方にはキレる機会はまずないでしょう。これを見たクライアントで命を掛けて全力で来い!(胸熱展開…!)という方には、リクエストがあればお応えしたいと思います。

ガンダムSEEDでカガリがアスランに言った「生きることが戦いだ!」という言葉を実感しました。

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